スート分割・空きスペース・プレー判断を支える数値
プレーの判断はたいてい2つの数値の比較に帰着します。そのスートが分かれる確率と、フィネスが通る確率です。前者は誰でも暗記できる固定の表ですが、後者はビッドとプレーの中で得たあらゆる情報とともに動きます。この記事ではその両方を扱います。無条件の分割確率、なぜそれが均等から外れるのか、証拠が集まったときにどう更新するのか、そして古い格言が計算するとどれだけの価値を持つのかです。
残りカードはどう分かれるか
1枚もプレーされていない時点では、残りカードが特定の形に分かれる確率は残り枚数だけで決まります。ディクレアラーが暗記しておくべき数値です。
| 自分のフィット | 残り枚数 | 最頻の分割 | 確率 | 次点 | 確率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 6枚 | 7 | 4-3 | 62.17% | 5-2 | 30.52% |
| 7枚 | 6 | 4-2 | 48.45% | 3-3 | 35.53% |
| 8枚 | 5 | 3-2 | 67.83% | 4-1 | 28.26% |
| 9枚 | 4 | 3-1 | 49.74% | 2-2 | 40.70% |
| 10枚 | 3 | 2-1 | 78.00% | 3-0 | 22.00% |
| 11枚 | 2 | 1-1 | 52.00% | 2-0 | 48.00% |
このうち2行は対にして覚える価値があります。コントラクトの成否を決めるのがこの2つだからです。残り5枚のとき、3-2の分割は3分の2をわずかに超える頻度で起こります。ほぼすべての「トランプを引いてクレーム」というラインの背後にある数値です。残り4枚のとき、均等な2-2は40.70%と少数派であり、3-1より起こりにくいのです。
なぜ偶数枚は偏るのか
残り枚数が偶数なら偏り、奇数ならできるだけ均等に分かれる、というのが経験則です。俗説のように聞こえますが、単純な数え上げの結果です。
分割はパターンの数ではなく、個々のカードの配置の数で決まります。残り4枚のとき、特定の2枚をWestに、2枚をEastに配る方法は6通りです。一方で3-1になる配置は、Westが3枚の場合が4通り、Eastが3枚の場合が4通りで、合計8通りあります。各ハンドに残っている空きスペースによる重み付けが均等側をいくらか押し上げますが、この数の差を覆すには足りません。結果として3-1が49.74%、2-2が40.70%となります。
実用的な言い換え:クイーンに対して4枚欠けているなら、ドロップを当てにしてはいけません。5枚欠けているなら3-2を前提に組み立て、4-1への備えを用意しておくことです。
これらの数値はすべて、ディフェンダーのハンドについて何も知らないことを前提としています。ビッドや序盤のプレーがそれ以外を語った瞬間、これらは正しい数値ではなくなります。そしてそのずれは、判断を逆転させるだけの大きさになることがしばしばあります。
空きスペース:証拠に応じて更新する
決定的な判断を迫られる頃には、たいてい何かがわかっています。プリエンプトが7枚を示したとか、サイドスートが3ラウンド出切ったといったことです。更新のための道具が空きスペース(vacant spaces)の勘定です。
各ディフェンダーのハンドで、まだ判明していないカードが何枚あるかを数えます。Westがスペード7枚、Eastが2枚を見せたなら、それらを除いた後でWestの未知のカードは6枚、Eastは11枚です。したがって別のスートで欠けているクイーンは、おおよそ11対6でEast側にあることになります。五分五分ではありませんし、コイン投げに見えたフィネスは一方向に大きく傾いた本命になります。
優れたディクレアラーが決定的なフィネスの前にサイドスートを先に取り切るのは、このためです。1ラウンド出すごとに、判断の背後にある形についての情報が増えますし、フィネスは逃げません。遅らせる代償はラフされるリスク、得られる利益はより情報に基づいた読みです。
同じ理屈がビッドにも当てはまります。ウィークツーでオープンしたディフェンダーは、すでに6枚について語っています。その後で無条件の表を当てはめるのは、単に間違った表を使っているということです。
「エイト・エバー、ナイン・ネバー」の実際の値
カードプレーでもっとも有名な格言は、クイーンに対して8枚あるなら常にフィネス、9枚あるならドロップに賭けよ、と言います。多くの格言と同様、これは実際の計算を圧縮したものであり、その計算が何を返すのかを見ておく価値があります。当サイトの早見表は標準的な保持、すなわち A K J T と小さいカードに対して小さいカードが向かい合う形をモデル化し、最善ラインでの全勝確率を示しています。
| フィット | 分け方 | 最善ライン | 全勝確率 |
|---|---|---|---|
| 8枚 | 4-4 | Aをキャッシュしてからフィネス | 52.83% |
| 8枚 | 5-3 | Aをキャッシュしてからフィネス | 50.87% |
| 8枚 | 6-2 | フィネスを2回行う | 48.04% |
| 9枚 | 5-4 | Aをキャッシュし、オンサイドの4-0が見えたらフィネス、それ以外はKをキャッシュ | 57.91% |
| 9枚 | 6-3 | Aをキャッシュし、オンサイドの4-0が見えたらフィネス、それ以外はKをキャッシュ | 57.91% |
| 9枚 | 7-2 | AKをキャッシュ | 53.13% |
格言は生き残っていますが、その断定的な口調が示唆するよりも差はずっと小さいのです。推奨される9枚のラインは57.91%、8枚のフィネスは52.83%。実在する優位ではありますが、ビッドからの推論ひとつで覆る程度の大きさです。「ナイン・ネバー」は何も知らないときの初期設定であって、法則ではありません。
ディフェンダーが別のスートで長さを見せているなら、空きスペースの勘定はこれらのラインを隔てる数ポイントをほぼ確実に上回ります。証拠は格言に優先します。
リストリクテッドチョイス
本当に直感に反するので、1つだけ取り上げておく価値のある推論があります。クイーンとジャックが欠けている状況で、ディフェンダーが第1ラウンドにそのどちらかを落としたなら、確率はドロップではなく、残ったほうに対するフィネスを支持します。
理由は、両方のオナーを持つディフェンダーはどちらを出すことも選べたのに対し、そのカードしか持っていないディフェンダーには選択の余地がなかったからです。したがって、見えたカードがシングルトンの保持から出た可能性は、およそ2倍あります。この原理は一般化できます。ディフェンダーが複数のやり方でできたプレーを行ったとき、彼がそのやり方を選んだという事実そのものが、彼の保持についての証拠になります。
チャンスを組み合わせる
ほとんどのコントラクトにはメイクへの経路が複数あるため、単一の確率で分析が終わることはまずありません。技術が問われるのは、最初のチャンスが外れても2つ目が残るようにチャンスの順序を組むところです。
- 捨てられるほうのスートから試す。3-3の分割ですべて解決し、フィネスが保険になるなら、まだ立て直せるほうのスートを先にプレーします。
- 取れるトリックではなく、必要なトリックを数える。チームでは、90%でコントラクトをメイクし60%でオーバートリックを取るラインのほうが、両方を75%で達成するラインより優れています。
- 悪い分割に耐えるラインを選ぶ。2つのラインが接近しているなら、4-1でもメイクできるほうが実戦的にはたいてい良い選択です。コントラクトが死ぬのは、悪い分割のときだからです。
早見表から条件付き確率へ
印刷された表が答えられるのは無条件の問いだけです。プリエンプト、レイズが示した形、出切ったサイドスート3ラウンドといった情報を得た後で必要になるのは条件付き確率であり、それはどの本にも載っていません。何を知っているかに正確に依存するからです。
確率ソルバーが埋めるのはこの隙間です。実際に確定させた条件を入力すれば、未知のディールに当てはまる数値ではなく、その条件から導かれる分割確率が計算されます。
よくある質問
3-2の分割は本当に68%ですか。
証拠がない状態で67.83%です。この数値はディフェンダーのハンドについて何も知らないことを前提としており、相手のプリエンプトや情報量の多い競りの後では、どちらの方向にも大きく動きます。
残り4枚しかないのに、なぜ2-2は3-1より起こりにくいのですか。
両方のディフェンダーを数えると、3-1に落ちる配置のほうが2-2より多いからです。分割はパターンではなく個々のカードの配置を数えることで決まり、その数え上げは偏ったほうを支持します。49.74%対40.70%です。
空きスペースの計算は、形だけでなくオナーの位置にも使えますか。
未知の特定の1枚がどこにあるかという問いに使えるので、オナーにも適用できます。ただし厳密な事後確率ではなく良い近似です。競りは形だけでなく強さについての情報も運ぶのに対し、空きスペースは形の側しか追跡しないからです。
「ナイン・ネバー」はいつ捨てるべきですか。
証拠を得た時点で捨てます。未知のディールにおいてこのラインの優位は数ポイントであり、別のスートで6枚を見せたディフェンダーは、それよりはるかに大きく確率を動かします。